10年後の盆栽業界は地獄絵図

この記事を書くまでにいろいろと考えましたが、
正直に感じたことを書いているつもりです。

あくまで僕の見解であり、違う見解があっていいと思います。

ですが僕の出会った盆栽仲間達は皆、「危機感」を持っている印象を受けました。

真綿で首を絞めるように、うっすらと確実に厳しい状況に追いやられているのかもしれません。



盆栽はおじいちゃんの趣味

YouTubeを盆栽専門に変更し、約4ヶ月半。

有難いことに3000人ほどの登録者が増えました。いつもご視聴してくださる方や拡散してくださる方々、ありがとうございます。

YouTubeのアナリティクス(動画の視聴情報を見るシステム)を見ると驚くべき結果が出ました。

なんと65歳以上の視聴者が26%を占めているのです。

続いて55~64歳が23%、そこから順々に落ちていき、10代の視聴者はわずか0.1%です。

YouTubeの視聴者層を考えた時に、本来多いはずの年齢層が少なく、少ないはずの年齢層が多いという状態になっています。

ちなみに男女比は92%が男性です。

日本のYouTube内にある盆栽チャンネルのトップ層は

チャンネル登録「4万人」ほどです。

しかもその内の大半は海外の視聴者です。

その他の趣味のチャンネルの上位層と比べてみると、

釣りは156万人登録の「釣りよか」さん、それ以外にも数十万はごろごろいます。

アクアリウムは、「植物男子」さんが68万人、「さぼりch」さん26万人いますし、

園芸で言うと、「カーメン君」さん18万人です。(すべて2021年2月現在)

ちなみに僕のやってる携帯のアプリゲームもメジャーなゲームとは言えませんが、それ専門のゲーム実況者でも5万人の登録者がいます。

つまり、YouTube内に盆栽ユーザーが圧倒的に少ない

そしてその殆どが男性の年配の方々だと言うことがわかります。

そもそもYouTubeの視聴者層は若年層ですので、明らかに需要が少なくなっているという現実です。

サ〇エさんの〇平さんのイメージだけじゃなく、実際におじいさんばかりです。

ではツイッターはどうでしょうか?

「#盆栽」で検索した際、いつも同じ顔ばかり出てきませんか?

盆栽のツイッターで数十万のフォロワーがいる人やメディアはあるのでしょうか?

盆栽はインターネットの中で明らかに出遅れていると言う事実。

若い世代は盆栽に対して関心が少なく、年配の方々に近づくにつれ盆栽の人口が増えている。

その年配の方々がインターネットに頑張って対応してくれているおかげで何とかもっている状態ということです。



10年後の未来

盆栽の人口の大半が年配の方々です。

残念ですが、人間は年齢が上の人ほど先にお亡くなりになります。

盆栽人口の大半を占める高齢者が、いなくなった未来を想像したことはありますか?

10年後、盆栽人口の3〜5割減ったと想定した未来の話をします。

今まさに戦っている方々を批判するものではなく、可能性の話ですのでご了承ください。

盆栽園がなくなる

年々減り続ける盆栽園はさらに減ることになるでしょう。今の半分か、もっとか。

さらに継ぎ手不足が加速します。盆栽離れもそうですが、需要の減り続ける分野に飛び込もうと言う若手は中々いません。

全国の組合がなくなります。

今でも盆栽組合は年々人が減っているはずです。(ここは数字を持ってませんが、状況をみて増えているとは考え難い)

そもそも、入会金ウン万円、年会費ウン万円の組織が、AmazonプライムやNetflixがある時代に生き残れるはずがありません。

盆栽のアイデンティティが海外に移る。

日本に需要はないですが、海外では増え続けています。

国内に需要がなくなった盆栽業界は、利益を保つ為に海外へ輸出される割合が増えていきます。

オリジナルが持つ強みの「歴史ある木」がなくなっていき、

情報がクリアな時代ですので海外でも、日本同様の技術を持った職人が増えていきます。

例えば、日本よりも大きい国土を持つ国が、未開拓な山を多数持ち、盆栽の技術も習得している。オリジナルの強みである歴史として価値のある木も手元にない。

かたや縮小し、技術をつなぐ後継者も少ない。
かたや拡大し、歴史も技術も需要もある。

そうなった時、もう日本は「ただの盆栽発祥の地」でしかありません。

国内で自給自足できない、海外に頼る業界の未来を、

10年後、さらに20年後は果たして守ることができるのでしょうか?



生き残るには

そんな未来の中でも生き残る盆栽園は多数あります。

それは販売以外で売上を作っている盆栽園です。つまり施設への貸し出しや教室などで販売に負けない利益を作っている園です。

特に盆栽教室は、授業料をもらいさらに顧客の獲得にも繋げられる利益率の高いシステムです。

ですが、そもそもの全体数が減った時、生徒の数は年々減っていき利益は減り続けていく可能性はあります。

地域密着型も強いです。市や県からのバックアップがあったり、名産や名物として残っているもの。盆栽と触れ合う環境を作り、生活の中に取り入れるようなアプローチが打ちやすいです。きっかけやタイミングの場を作れるので、需要を作りやすく、固定のお客が付きやすい。

上記挙げましたが、その環境以外は辛い状況ですし、

上記に当てはまる園も利益は下がっていく可能性が高いです。

そもそもの母数が減っていく中で、需要が減っていくことは止められないので、縮小は避けられません。多くの盆栽業者は大ダメージを受けます。

結論:はっきり言って明るい未来はない。

賛否両論あると思いますが、僕は離れたところから見てこんな未来が待っていると思っています。

事実、年々人口は減ってますし、盆栽業者も減っています。確実にこれからもっと減っていきます。割合的には今までと比べ加速していきます。

そんな未来我慢できるかい!

と思われている方々に変わり、代弁させて頂きました。

いやです!変えましょう。

江戸時代から続く日本の誇るべき伝統が、我々の時代に衰退していくなんて許せません。

あたらしい試みや、挑戦を今まさに行っている人がいるんです。

そんな人たちを支援するするどころか、知ることすら難しい今の状況を変えたいと思います。それには、そもそもの考え方や仕組みから変えなければいけないのかも知れません。

まだ間に合うと思ってるから僕は動き出しました。

これから僕たちが進む10年間は、盆栽の人口を増やすこと。時代に寄り添うこと。若手が育つ環境を作ることです。

その為には何をすればいいのか。一緒に考えていきましょう。

現状を否定する時間を、未来を肯定するする為の時間に変えましょう。

厳しい時代を生きるぼく達なら必ず変われる。

あたらしい盆栽をはじめよう。

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