盆栽は木や草を鉢に植えて姿形を整え、その美しさを愛でるものです。
盆栽に仕立てる樹木は、松や真柏といった常緑樹のイメージがありますが、現在は花を付ける樹木の盆栽「花物盆栽」の人気が高まっています。
この記事では、花物盆栽の特徴やメリット、購入できる場所などをわかりやすく解説します。
はじめに花物盆栽の特徴について解説します。松をはじめとする花を付けない樹木の盆栽と何が違うのでしょうか?
花盆栽とは、文字どおり花が咲く樹木で作られた盆栽の総称です。
梅を始め、桜・ボケ・サツキなど様々な種類があります。動画でご紹介しているのは、ブーゲンビリアです。一風変わった花盆栽としては、ネコヤナギや藤などもあります。洋風の花では、バラ(ノイバラ)なども人気です。
花盆栽は花だけでなく香りも楽しめます。
特に、梅は香り高く改良された種類も多く、花が咲いている間はほのかな香りが家中に漂い、風雅な気持ちになれます。
盆栽は、ただ樹木を鉢に植えるだけでなく手を加えて鉢の中に自然の風景を再現しています。
ですから、花があるときはもちろんのこと、花がないときでもインテリアとして飾ることも可能です。
盆栽には「席飾り」という概念があり、空間演出もすることができます。家はもちろんのこと、ショップのインテリアにもおすすめです。
盆栽には様々な大きさがあります。
一抱えもある大きな盆栽がある一方で、手のひらに乗る「ミニ盆栽」も豊富です。ミニ盆栽ならば、場所も取らないので、ワンルームにも飾ることができます。置く場所に合わせた大きさを選びましょう。
ここでは、花盆栽のメリットを解説します。切り花や鉢植えと比べてどのようなメリットがあるのでしょうか?
花を楽しむ代表的な方法といえば切り花ですが、切り花の寿命は長くて1週間ほどです。
盆栽ならば、長ければ半月~1か月ほど花を楽しむことができます。また、藤・さつき・椿など、切り花ではなかなか出ない花も盆栽ならば楽しめます。
盆栽はとても長生きです。適切なお世話をすれば、数年~数十年は楽しめます。
毎年花もつけるので、毎年花を咲かせる楽しみもできるでしょう。
盆栽のお世話は基本的に鉢植えと変わらず、それほど難しいものではありません。
鉢植えは少しずつ育っていくので、変化を楽しめます。
前述したように手をかけた分だけ応えてくれるので、ペットを育てるような楽しみが味わえることでしょう。
特に、花が咲かない小さい苗木から育てた場合、開花したときの喜びはひとしおです。
花盆栽は色々な場所で入手することができます。
ここでは、代表的な場所とそこで購入するメリット・デメリットなどを解説します。
盆栽を取り扱っている園芸店はたくさんあります。
しかし、店によってラインナップが大きく異なり、花盆栽の取り扱いが全くない場所もあります。
ホームページがある園芸店ならば、扱っている盆栽を記載してあるところも多いので、足を運ぶ前に品揃えを確認して見ましょう。
盆栽園とは、盆栽を専門に扱うお店のことです。
全国に様々な規模の専門店があり、販売だけでなくお手入れなども請け負ってくれるところもあります。
スタッフは盆栽に関する豊富な知識を持っていますので、アドバイスもしてくれるでしょう。品質も確かです。
お近くに盆栽園がある方は、ぜひ足を運んでみてください。
大きなホームセンターには園芸コーナーがあり、花盆栽を扱っているところもあります。
ただし、ホームセンターによっては、お正月前、桜の季節など特定の季節でないと花盆栽を販売しないところもあります。
また、店によっては管理がいいかげんなところもあり、物が悪いこともあるので注意が必要です。
植木市とは、さまざまな植木業者が集まって展示即売会を行う催しです。
毎年開かれる大規模なものもあれば、数店の店が集まるだけのものもあります。扱われる植木の種類はいろいろで、掘り出し物が見つかる可能性もあります。
近くで植木市がおこなっているなら、覗いてみると楽しいことでしょう。「盆栽市」という名前で開催される場合は、盆栽が中心なので、花盆栽も豊富です。
今は、amazonや楽天などのネット通販で盆栽を扱う業者も増えてきました。
日本全国から利用できるメリットがある一方、現物を見ることができないのでどんなものが届くかわからないというデメリットもあります。
また、梱包が悪ければ輸送中に木が倒れて弱ることもあるでしょう。通販を利用するならば、信頼できる業者を利用しましょう。口コミなどを確認してみるのがおすすめです。
ここでは、盆栽の初心者でも扱いやすい花盆栽を3つ紹介します。
購入できるネットサイトのリンクも貼るので、興味を持ったら育ててみてください。
長寿梅は「梅」という名前がついていますが、野ボケの一種で、バラ科ボケ属の樹木です。
春と秋に赤く小さな花が咲きます。半日陰でも育ちやすく、水をたっぷりあげていればすくすくと育つでしょう。お世話は、徒長した枝を切ったり肥料をあげたりすることが中心です。
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桜はバラ科サクラ属の樹木で、国内だけでなく海外でも人気が高いものです。
盆栽にもいろいろな種類があり、ミニ盆栽から一抱えもある大きな盆栽までさまざまなサイズがあります。
基本的に屋外か日のよく当たる窓際で育て、水を毎日与えると元気よく育ちます。旭桜という品種ならば、半日陰でも育ちやすいでしょう。
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クチナシは初夏に素晴らしい香りの花を付ける低木です、日当たりさえきをつければ育てやすい品種で、基本的に屋外で管理します。寒冷地では日当たりの良い屋内におきましょう。
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今回は、きれいな花が咲く花盆栽について解説しました。
花盆栽にはいろいろな種類があり、育て慣れれば形を整えてより美しい盆栽に仕立てることもできます。
はじめて盆栽を育てる方も、花を咲かせるという目標があれば、お世話する張り合いも出ます。