園芸などでもよく行われる「挿し木」。
盆栽でも挿し木は盆栽を増やす為に行われるメジャーな方法です。
今回は盆栽の挿し木の方法について学んでいきましょう。
まずは挿し木を知らない方へ、挿し木を調べてみます。
母株の茎の一部を切り取り(これを挿し穂という)、
挿し床に挿し、芽と不定根の形成を期待することで
個体数を増やす園芸ないし農業技術である。
出典:ウィキペディア(Wikipedia)
はい。
つまり、枝を切って枝から根を出させ増やしていく方法ですね。
挿し木のメリットとしては、「お金をかけずに増やせる」こと
そして、親木の特徴を知った上で増やせるということです。
今回は以前公開した動画の中から挿し木についてご説明させていただきます。
難しい作業ではないので、初心者でもすぐに挿し木を始められますよ。
すべての盆栽が挿し木ができるわけではなく、
挿し木の成功率が高い樹種と、失敗しやすい樹種があります。
大まかに言えば、雑木などは成功しやすく、
松類は成功しづらい…ぐらいの感覚で覚えていれば問題ないと思います。
松柏類でも真柏は挿し木が成功しやすい樹種となっています。
基本的には春先~梅雨の時期が良いとされています。
これも樹種によって異なるため一概には言えませんが、
成功しやすい時期であって、冬の挿し木が成功しないわけではありません。
まずは実践してみて、知識と経験を増やしていくことをおすすめします。
それでは挿し木を始めていきましょう。
まず最初に、木から一部切り取ったものを「挿し穂」といい、
それを挿す土を「挿し床」といいます。
先に大まかな手順を言いますと、
切って、薬塗って、挿すだけです。
それを踏まえた上でお読みください。
挿し穂は基本的に乾燥させないようにする為、
切ったあとすぐに挿せない場合は、水に浸しておくと良いでしょう。
節のある木では、節間の詰まった枝の部分がいいとされています。
切った挿し穂を挿し床に挿す前に、「発根促進剤」をつけると成功率が高くなります。
発根促進剤とは、その名の通り根を出させやすくするお薬です。
動画の中でも紹介しているルートンや、メネデールなどや、
オキシベロンというものがあります。
こちらをつけなくても発根はしますが、成功率が高くなるといったものになります。
続いて挿し穂の切り口角度ですが、
✔←このチェックマークの様に、片方を長く切きります。
切り口が広いほど水を吸う面積が広いので、なるべく広く切ってください。
準備ができたら挿していきます
挿す時は皮が向けないようピンセットで挿していきます。
挿し穂が動きにくいほうが良いので、鉢の縁の方に挿しています。
この辺は挿し床を置く環境によっては普通に挿すだけでも問題ないと思います。
はい。おしまい。
なんて簡単!これで我々初心者の盆栽棚もにぎやかになります。
唯一の注意点としましては、
挿し床を乾かさないことです。
挿し床が乾いてしまうと、成功率は一気に下がるので対策をしていきましょう。
およそ半年で根が出始め、根が出れば通常の盆栽と同じ様に育てられます。
それまでは上記のような対策をして乾燥から守りましょう。
※4/9追記
元の木の植え替えをしたく、そこに挿した挿し穂を抜いてみました。
10月末に挿した挿し穂から根を確認しました。半年くらいですかね。
石化檜は付きやすいとのことですが、時期外れの挿し木だったので安心しました。
枯れたものは変色し、生きているものは緑の葉が付いているのでわかりやすいです。
今の所、成功率は70%ほどです。
その他にイワシデや長寿梅なども挿しているのでまた追記します。
こちらの動画は挿し木から3年たった真柏を仕付けていく動画となります。
同じ期間に挿した木ですが、樹形も様々でどう作ろうかワクワクしますね。
謎の挿し木を掘り起こしています。植物の力強さを感じられる動画です。
こちらも放置された挿し床から真柏を漁る様子です。
木の形によって仕立てる樹形を変えていきます。先生が丁寧に教えてくださるので針金かけや剪定の勉強にもなるかと思います。
ちなみに2本立ての前編です。
いかがでしたでしょうか。
挿し木自体はそう難しい作業では有りません。
やる前の下調べも大切ですが、実際にやってみて気づくことがたくさんあると思います。
挿し木についてオススメの方法が有りましたらぜひ共有ください!
それでは、挿し木で素敵な盆栽ライフをお過ごしください!