春の温かい日差しの中、庭やベランダでの作業が心地いい季節になってきましたね。
盆栽で春と言えば「植え替え」の季節です。植え替えのタイミングで石付きの盆栽を作る方もいるかと思われますが、初心者的に言えば「なんか難しそう…」のイメージが強いです。
今回は石付盆栽の作り方について書いていきます。
初心者の方もまずは作業内容を見てできるかどうか判断してみてはいかがでしょうか?
石付きといっても、石を鉢にしたり、石を鉢にいれたり、鉢ではなく水盤にのせたりと様々な状況があります。
ですので石付き盆栽の定義は、石と木があることで良いでしょう。(たぶん)
重要なことは、石を使い自然の情景を作るという事です。通常の盆栽と同じですね。
高山性の木が石の下に、草物などが上のような自然じゃありえない状態は不自然という事になります。
では我々初心者からみて石付き盆栽は難しいのか否かを考えてみましょう。
一言でいえば、「ちょっと難易度高め」です。
深堀りしていけば作業が多くなります、石を接着したり、石を削ったりなどは道具がなければできませんし、石を削った経験は初心者にはなかなかあることではないです。
そこで初心者でもできる範囲の石付盆栽の作り方と、石の接着についてご紹介していきます。
まずはオーソドックスな石自体に取り付ける方法からご説明します。
▼用意するもの
まずは植え付ける木と、石を用意します。
けと土はあらかじめ水を入れてモミモミしておきましょう。
①通常の植え替えのように鉢から木を取り出し、土を払っていきます。
木の土はなるべくきれいに落とし、設置するまで時間がかかる場合はビニール袋などに入れ乾燥を防ぎましょう。
②木の形を形成するために針金を巻きます。
小品であれば鉢から出してからの方が針金を巻きやすい場合もあります。鉢から出す前に巻くか、鉢から出して巻くかは木によって調整しましょう。
ちなみに養生を考えて針金掛けの時期をずらす方法もありますので、そこは本人次第でいいでしょう。
③けと土を付ける
使用する土は粘着性の高い「けと土」を使用します。
乾き気味が良ければ赤玉土を混ぜたり、乾燥させたくなかったらミズゴケを入れるなど調整しましょう。
石の下に水盤や鉢などを置く場合は、けと土を使い水が吸い上げられるように接地面を考えて配置します。通常の植え替え同様に根の間にしっかり土が入るようにしましょう。
動画の中では石自体に針金を接着し、後々針金が露出しないようにしています。接着剤がない場合などは石と木、または石と鉢を固定するために針金を巻きます。
④苔を張る
けと土に苔を張ると乾燥の防止にもなりますし、見栄えも自然になります。
ざーっと紹介しましたが注意点は、
こんな感じです。
結局作る人の考え方による部分が多いのでイメージをある程度決めて植え替えるといいでしょう。
では続いて動画内で使用した接着剤についてです。
主に使っていた商品は「クイックメンダー」
短時間充てん補修用。金属・コンクリート・陶器・プラスチックなどに使用するボンドです。
使用方法は、①液と②液を混ぜて準備し、接地面に着け、30分ほどで固定してくれます。
石にU字にしておいた針金を置き、クイックメンダーを付けて待つだけです。(意外と簡単)
ですが1㎏もあるので中々個人では使いきれないという難点もあります。(小さいものがあったらいいよね)
少量でないかなと調べてみると以下の商品もありました、使いやすそうなサイズ(と価格)ですね!
【五葉松】カワイイ!ミニ盆栽の石付き作り方
こちらは鉢と石を固定したものです。根上がりの五葉松を石に這わせ鉢に敷いた赤玉土から水分を得るように作られています。かわいいです。
【真柏/バラ】2本立!石付きミニ盆栽と自生バラの盆栽
こちらは水盤に置くように作っていたのですが、石に着けた時点で180度反転することになり鉢の上に置いてます。
作りながら変更していく様子が面白い動画となっています。
【真柏】のりも使う⁉石付き盆栽の作り方
こちらは川崎先生の真柏を石付けにした中品の盆栽になります。
動画内で苔を「普通ののり」で張り付けるさまは斬新なアイデアだとおもいます笑
石付き40年!エゾ松の苔貼り【盆栽Q 】
こちらは芙蓉園さんの蝦夷松の石付です。
大きい石付き盆栽なので苔が剥がれやすいので、糸と釘を使い対策しています。
いかがでしょうか、盆栽と石を組み合わせるだけで様々な形があります。
石付き盆栽は、自然の中で岩肌に生える木を表現しているのですが、自然を見る際に「この自然どう盆栽にしようかな?」という感覚が生まれてくると思います。
盆栽を通じて日常の風景の見え方も変わっていきます。インドアな僕もよく歩くようになりましたし、山行くのも楽しいです。
興味のある方は是非石付き盆栽にチャレンジしてみてはいかがでしょうか?