最近盆栽を始めた我々初心者の疑問。
盆栽鉢っておしゃれなデザイン少なくない??
もちろん作家鉢で可愛い鉢はありますが、お値段結構しますし…、ネットに情報少ないから作家さんの情報を得ることも難しいし…。
こんな鉢があったらな、あんな鉢があったらなと妄想する日々の中で、
自分の好きなデザインの食器で作っちゃおう!という決断に至りました。
この記事では制作の過程と問題点、実際に盆栽を植えた様子を綴っていきます。
盆栽を植える様子は動画で詳しく観れますので、制作を重点的に載せていきます!
目次
そもそも何故盆栽鉢には今どきのデザインが少ないのでしょうか?
盆栽鉢だけでみるならば、美しい色や形状のものが多くありますが、それは「盆栽」というジャンルが狭く深いユーザー層で、流通品の種類が少なく、一品物の鉢が多いからそう感じるのかもしれません。
たくさんの種類がある中で、なぜ現代的なデザインの鉢をあまり見ることがないのでしょうか?
絵鉢のイラストも、日本か中国の風景か、海山などの自然の風景をよく見ます。
単純な疑問として「なぜその時代で止まってるの?」と思ってしまいます。
結論としては、木に合わないからです。
盆栽は古いものほど価値が高くなり、その古い木にあうデザインを選択しているということですね。
加えて盆栽ユーザーの年齢層も高いので、若者受けを狙った商品はヒットしません。
なーるほど。と思う反面、また思ってしまいます。
「なぜその時代で止まってるの?え、中国の絵は関係なくない??」
100年前でも大正時代ですから車も走ってますね。戦車もできてますね。
東京駅もできてます。電車に電線、町中に看板なども沢山たってます。
それらが描かれないのは、「古いイメージ」では無いからでしょう。
でも我々若者(アラフォー)は大正、昭和(の初期であれば)だいぶ昔のイメージはあると思います。
鬼滅の刃も大正ですからね。列車ぐらいは描かれてもおかしくは無いはずです。
流石にピラミッドが書いてあったら「エジプトにその木無いだろ」ってツッコミを受けそうですが、中国の絵が書かれている事に違和感を感じるのは僕だけでしょうか?
盆栽が中国から来たものは知っていますし中国の鉢の価値が高いという話も聞きますが、
それがOKならば昭和の風景、それこそ零戦や東京タワーが書かれていても良いんじゃないでしょうか!!(いつか作ろう)
とずっと思っていた違和感を吐き出し、将来鉢の制作と販売をする決意を固めたところで次に参ります。(まずは需要を作らないとですね)
可愛い食器やマグカップなどを鉢にする際に注意することは、
多くの食器は「磁器」で出来ているということです。
磁器とは
1200℃以上の高温で焼かれた硬質で吸水性のない焼物。素地は白色で,透明または半透明の釉 (うわぐすり) がかけられる。中国では唐末,五代に始り,朝鮮では李朝初期から,日本では江戸時代初期に,有田で帰化朝鮮陶工李三平によって始められたといわれる。
コトバンク
陶器との大きな違いは見た目です。陶器は色がついてますが、磁器は白色です。
さらに陶器と比べ薄く、触るとスベスベ、叩くと高音です。
鉢として見た場合重要なことは、
熱伝導率が高いこと、吸水性がほぼないことです。
マグカップやティーカップには取っ手があるけど、湯呑は無いですね。
陶器は熱伝導率が低いから熱くなりにくいというわけです。
つまり磁器の鉢をコンクリートの上などで管理してたら逝っちゃいます。注意しましょう。
また吸水性がほぼ無いので、植える木は松柏類を植えたら厳しいので雑木類に絞られます。
釉薬を塗ってある盆栽鉢でも内側には塗ってないものが多い中で、内側も全く吸水性が無いわけですから雑木の中でも強い樹種のほうが良さそうです。
動画でサクッと観たい方はアズチャンネルさんの1分動画をみると要領がわかりやすいです。
こちらはコーヒーカップですが、湯呑やお猪口でも作られてます。
鉢にしたい食器の底に穴を開ければ良いわけですが、どう開けるかということが問題ですね。
動画ではインパクトドライバーにドリルで小さな穴を開け、そこからヤスリで削っていますね。
僕のように面倒くさがりな人は「ヤスリしんどそ~1発で開けてぇ~」と思ってしまいます。(ダメ人間)
1回で大きな穴をあけるにはインパクトホールソーというものがあります。
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しかし予備知識0で作業を進めた僕は、こういう商品を買ってしまいました。
こっちのがたくさん入って安ーい!と言う理由で買ったのですが、
まず接続部が電動ドリル用なのでインパクトドライバーに入らない。
センタードリルが無いのでずれる。
というなんとも悲しい結果になりましたので実践する方はご注意ください。(はずかしい)
インパクトドライバーにアダプターを付けてホールソーで穴を開けます。
ですがセンタードリルが付いてないので刃が右往左往し、全く入っていきません。
考えた末、角度を斜めに入れて一旦傷を作り、そこから徐々に角度をつける作戦でいきます。
ちなみに割れないよう水を少しためながら作業しています。
わかりますかね、徐々に角度をつけています。
真上の角度になったところで一度確認するとこんな感じでした↓
更に勢いを付けて回していると…
体重をかけていたので反動で宙を舞います。(怖かった)
無事?開けることが出来ました。
やはりセンターはずれていますが見えないから良し。
ここから穴の周りで怪我をしないように、切り口にヤスリをかけていきます。
磁器を削るのでダイヤモンドヤスリっていう種類のヤスリで削ります。(↓こういうの)
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続いて水が抜ける様に底に溝を作っていきます。
ですが用意したヤスリが小さかったのか、僕の根気が足りなかったのか溝が小さかったので、
川崎先生に電動のヤスリで削ってもらいました。
これ良いなと思い調べてみましたが、お値段ピンキリでどれを選べばいいのやら。
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筋トレして棒ヤスリでがんばります。
鉢ができたら次は植える木ですが、先程も書いたように、雑木類が良さそうです。
それと盆栽鉢と違い、食器を利用しているため鉢に高さがあります。
ですので木にある程度の高さがないとバランスが取れなくなります。
まあそれぐらいが気になったところですが、正直作った鉢によっても変わると思うので、
注意すべきは樹種ぐらいですかね。
植え替えの様子は動画でご覧くださいませ。
川崎先生にお願いして撮影させてもらいましたが、いつも楽しそうに手伝ってくれるので本当に感謝が尽きないです。(大好き)
あまり観たことのない盆栽鉢になったのではないでしょうか?
今どきのデザインが少ない!と言っておきながら和柄のそば猪口を選んだ僕はチキン野郎です。
このミッキーマウスのマグカップは和柄じゃないですが、普通に可愛いと思います。
ただ入れる木は選んじゃいそうな気はしますねやっぱり。
「これ面白いね」と川崎先生もニッコリです。
いかがでしたでしょうか。自分で鉢を作れる様になれば、
普段目にする食器などにも「これ何植えよう?」と妄想癖を爆発させそうです。
盆栽の枠を少しだけ崩して自分なりに楽しんでみるのも良いかもしれませんね。
以上、お読み頂きありがとうございます!