雑木盆栽でも人気の高いケヤキ。ニレ科ケヤキ属の落葉高木です。
一般的に箒作りという樹形で作られることが多いですが、育ちが早いので手をかけなければすぐに樹形を崩してしまいます。
今回の記事ではケヤキの箒作りの作り方について書いていきます。
目次
ケヤキ盆栽で多く作られている箒作りですが、幹から箒状に枝が広がる樹形を指します。
その為細かい枝を作っていくのですが、
手を入れなければ思い通りの樹形には出来上がりません。
根張り、幹肌、細かい枝、それぞれが美しく出来上がることで木の評価が上がっていきます。
箒作りは幹から二股に枝を伸ばしたり、芯を作って枝を伸ばしたりと木によって形状が違うので購入する際はチェックしましょう。
まずは年間の作業を大まかに確認しておきましょう。
月 | 作業 |
3-5月 | 植え替え、芽摘み |
9-11月 | 葉すかし、剪定 |
9-3月 | 針金掛け |
まずは根張についてです。
植え替えの際に根張りが出来るよう調整し植え替えていくのですが、初心者には八方根張りの作り方など検討も付きません。
しかし八方根張りの作り方も様々あるようで、さらにに分かりづらい。
今回動画内で教わった方法を初心者の我々でも出来るようにまとめていきたいと思います。
まず初心者の皆様にお伝えしておきたいことは、ケヤキって強いってことです。
え、こんなイッちゃっていいんスカ!?てぐらい根を切っていきます。(すごいよね)
植え替えの際に最初挿し木した状態の根であれば、真っ直ぐに太い直幹の根が生えているはずです。
それがあっては浅い鉢にも植えられませんし、きれいな八方根張りもできないので、
下にではなく横に根を生えさせていきます。
なので下に生えている根を、針金で締めたり、剪定したり、取り木の様に削って発根を促す必要があります。
こちらは針金を巻いて下に生える根を枯らし横から根が生えてきた様子です。
しかし一部に太い横根が生えてきたため、太い根をカットしてそこから細かく生えてくるように促します。
根をこんなに切っても大丈夫だとは知りませんでした…!!
横の細い根だけで枯れないそうです。強いですケヤキさん。
更に生えてほしい部分を削り発根促進剤を付けて植えていきます。(形成層をしっかり取ろうね)
そしてこの処理を前年にした木の根がこちら。。
心の声(ケヤキってすごい)
こうなると八方根張が見えてきますよね。すでに直幹の根はなくなっています。
ここでは根が絡み合わないよう放射状に揃えていき、長い根と太い根をカットします。
また、幹から根が出てない部分があれば削って発根促進剤で生え揃えさせます。
という作業を毎年していき、
この位の太さになっても同じ作業をしていきます。
美しい根張りは幾年もの積み重ねの上に出来てるんですね。
うわーめんどくせぇーと思う方もいるかと思いますが、前年の結果が見れる訳ですので、
なんか変な興奮というか、お楽しみというかワクワクする作業でした。
1年で掘り起こすタイムカプセルの様な感じですね。
こちらは我が家にある少し育ってる方のケヤキです。
根をほぐしてカットし、削って発根促進剤を付けて完了、意外と簡単でした。
続いてこちらは、壮絶な植え替えをしほぼ根をなくした苗です。(針金切ってから撮れ)
髪の毛ほどの根が2,3本残っているだけです。
植え替えて数日後、葉が開いて元気だったのですが3週間位経った今、ちょっとだけ調子悪くなってきてます。
来年また追記したいと思います。
ケヤキは成長期にジャンジャン芽が伸びていきます。
伸びた芽は2芽か3芽残して切るということですが、それはなんででしょうか?
コチラも動画がありますので御覧ください。
動画のおさらいになりますが、
2芽残す理由は、細かい枝を作ることです。
また、剪定には枝を伸ばす方向をコントロールするという役割もあるということです。
+
剪定についてです。剪定をしていくことで細かい枝ぶりを作ることができます。
不要な枝を切っていくわけですが、切るポイントは芽の上で切っていくことです。
ここで我らが教科書キミコさんのページによりますと、
モミジやカエデの剪定は、基本的に1節残して切ることでそこから2本の枝を作ることができますが、ケヤキは互生ですから最低でも2節残しの剪定となります。
キミのミニ盆栽びより
2節残しの剪定が必要とのことです。(本当に詳しい)
続いて針金かけです。中心に寄せるようにかけていきます。
成長が早いのでケヤキの幹に針金の跡が付かないよう紙テープを巻く方法もあります。
↑画像の場合紙テープ部分の枝を芯にして作っているので、芯から出る枝が片寄らないようバランスの良い位置に他の枝にも針金をかけています。
他にも、ビニール紐や麻紐で縛ったりすることで枝の広がりを防ぎます。
ぐるぐる巻きです。
こうやって冬の間に癖をつけといて春に外します。
ぐるぐる巻ですとBonliveさんのケヤキの画像が素晴らしいので御覧ください。
こんなに巻いちゃって大丈夫なんですね。しっかり中心に寄せられていますね!
巻く前と後の比較は是非Bonliveさんのブログ(Life is sooogood!)で御覧ください。
欅の取り木についてはこちらをご覧ください。
とはいっても他の木と同じ手順です笑
こちらは冬の作業の動画となります。
針金かけやケヤキの基本的なお話を伺っています。
こちらは植え替え。
昼間さん秘伝の八方根張の作り方を実践していただいています。
こういう資料本当に少ないので有料級の内容だと思います。(昼間さんかっこいい)
こちらは鉢選びについてです。
ケヤキは浅い鉢に入れることが多いですね。そのためには根張りをきっちり作らなければいけません。
動画と記事でしっかり学んでカッコいい盆栽を作りましょう!
(この赤い鉢がレトロでカワイイんですよね)
葉刈りのタイミングで2度目の植え替えのタイミングがあるとのこと。
春調子が悪くて植え替えが出来なくてももう1度チャンスは来ます。
盆栽として出来上がったケヤキはウン万円することがザラですが、苗であれば数百円で購入できます。
出来上がったものを買ったとしても自分で維持できなければ、樹形を崩してしまいます。
ですのでまずは安いものから購入し、自分で作って学んでいくことをオススメします。
では、苗を購入する時のポイントですが、
幹の短いもの、傷がないもの。幹が短いほうが全体の大きさを小さく作れます。(大きくもできます)
枝についてはキュっと絞られているような二股を選ぶといいそうです。カエル又と言って広がっているのは針金をかけて直していくので、始めから枝分かれがキレイな方が良いってわけですね。
葉がある時期ですと、葉性の小さいものが良いです。
そして購入した木を毎年少しづつ作っていく訳ですね。
気が遠くなるような気もしますが、2,3年である程度形になってくると思います。
やらしい話、2,3年手を加えただけでもちゃんと作れば値段数倍に上がってます。(時給換算したら負けです)
いかがでしたでしょうか。
雑木の中でも独特の立ち位置であるケヤキの魅力が少しでも伝わったなら幸いです。
盆栽やられてる方は「もっと早く盆栽始めておけば…」と皆さん仰っしゃりますが、何年もかけて作っていく楽しみや感動がそこにあるのでしょうね。