盆栽の増やし方といえば、
実生、挿し木や根伏せ、そして「取り木」があげられます。
他の方法との比べ、取り木のメリットをあげるとすれば、
樹形の良くない木を作り変える事ができることが大きいです。
小さくても幹の太さのあるミニ盆栽も取り木なら作ることができます。
本記事で取り木の手順について記していきます。
取り木とは、植物の人工的繁殖方法の1つです。
茎の途中から根を出させ、そこで切り取ることで新たな株を得る方法です。
噛み砕いて言うと、
幹の途中から根っこ生やして2分割する。です。
挿し木ができる(雑木類や真柏)はだいたい取り木ができます。
逆に挿し木ができなくても取り木ができる樹種はあります。
つまり挿し木が成功し難い黒松や五葉松なんかも、取り木はできるようです。
春先から梅雨にかけてが一般的ですが、
正確には植物の成長期に行うのが良いとされています。
なので木によっては春先だったり、梅雨だったりします。
取り木のやり方を大まかな流れをお伝えしますと、
といった流れになります。
動画で知りたい方は下記動画をご参照ください。
まず取り木する部分を決めます。
チョークなどで印をつけると分かりやすいです。
取り木する長さは、幹の直径の1.5倍ほどです。切り出しやカッターなどで削っていきます。
まずは削る上部をぐるっと一周カットします。
続いて下部をぐるっとカットし、上下を繋ぐよう縦にカットします。
しっかりカットされていると、ぐるっと幹肌がとれるそうですが、上手にはできませんでした笑
削る際の注意点は形成層を確実に取り除くことです。
茎および根の肥大生長を行なう分裂組織。維管束の木部(水の通路)と師部(同化物質の通路)の間にあり、内側に木部、外側に師部がある。取り木で環状剥皮を行なう際はすべて取り去る。
コトバンク
形成層が残っていては根が生えてきません。
削った表面が緑がかっていたり、ヌルヌルしていないように念入りに取り除きます。
根張りをよくするために、取り木する上部をギザギザにカットする方法もあるそうです。お試しください。
しっかりと形成層が取れたら、発根促進剤を付けていきます。
写真ではルートンという発根促進剤を使用しています。
根は削った上部から生えてくるので、上部を中心につけていきます。
大き目の木であれば黒いビニールポットなどを使います。
今回は小品盆栽の為、小さなビニール袋を使用しています。
ホッチキスや、針金などを使い、下から取り木部分を包むように設置します。
写真は透明のビニール袋を使用していますが、光を通さない方が発芽しやすいので、黒い袋があればそちらの方がよいでしょう。
また、アルミホイルなどで遮光することもできます。
根は乾燥していると生えてこないので、濡らしたミズゴケを袋の中に入れていきます。
ミズゴケ以外でも細かい赤玉土などでも大丈夫です。
ミズゴケを入れ、袋を閉じるのですが、水が中に入るよう少し隙間を上げたり、袋に数か所穴をあけておきます。
以上で作業は終了です。
樹種によりますが、早ければ2,3カ月で根が生えてくるそうですが、おおよそ半年~1年の場合もあるそうです。
取り木を外すタイミングは、根がビニールの外から見えるようになってからです。
成長が早ければ9月~に外せますが、遅い場合は3月~の植え替えの時期に合わせて取り外すとよいでしょう。
外すタイミングが早いと、根が生長しなくなるので、ゆっくり待ってあげましょう。
取り木で増やそう!初心者でもできる取木の方法~ミニ盆栽にも○~